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2007年12月23日

「織田政権と大和」から派生課題

卒業後、卒論を、改めて大学の研究室発行誌に載せてくださるということになり、私の担当教授が、村田先生に感想を求められた事があります。
そのときに「大和中世史の理解を疑うところもある」と一括された部分もありますが、具体的にどこが良くて、どこが悪くて、どうすればよいものになるということも教えてくださいました。

今回は、それを紹介します。
興味をもたれた方には是非、織田政権論や中近世大和研究の一テーマとして研究してもらえれば、この上ない喜びです。



以下要約です。

論文を読ませて頂いた感想を述べさせて頂きます。

織豊政権の地方支配の実態を「大和」と言う、あまり扱われなかった土地についての分析した点では意味のある論文だと思います。

特に破城と指出の実施責任者が別である点に注意喚起した点は重要です。
おそらく多くの人が知っていた事実だと思いますが、問題にすることの意義が理解されていなかったのだと思います。

ところで、この問題を大和の特殊事情に引きつけて説明しようとしていますが、疑問があります。
大和の特殊性は確かに一つの柱ですが、もう一つの柱は、統一政権における軍事指揮権と知行権のあり方という一般性にあります。

他国ではどうだったのか、大和だけなのか。

破城は破城すると決定さえすれば具体的執行は委任可能ですが、
指出(検地)は決定だけでなく原則の遵守に関わって執行段階まで政権の責任で行わねばならない性格のものですので、豊臣政権でも検地奉行の派遣が常です。

織田政権はどういう権限を委任した大名(守護)として分国を預けたのか
天正八年段階でそれがどうなり、さらにどのように展開したのか?(豊臣政権で固まる方向がどこまで意図され実施されていたのか)

という全体の中で、大和の具体例を生かす、その際、大和の特殊事情がどのように影響したのかを考える、という視野が必要です。

(中略)

破城・指出問題をうけて城下町(郡山)でしめる、という文脈もすばらしいですが、その構成が必ずしも生かされていません。
郡山の立地論になってしまって、統一政策の地方版として構造的にとらえるという視野が欠けています。
なぜ郡山かの前に、なぜ城下町か、という一般的テーマがある。

(後略)以上よろしくお願いします。

一九九七年四月二八日



途中で、卒論でそこまですることは出来ないけれど、そういう姿勢をもって研究してます、という態度がないとダメだよとか書いていただいています。

ホント、お忙しいでしょうに、ちゃんと目を通してお返事くださり、とても的確な課題提起、感謝の念に耐えません。

ただ、私が当時このお返事を頂いてすぐは、「郡山の立地論を外すと、本来のテーマが崩壊してしまう、、、」と、心の中で思ってしまっていました(汗)。
担当教授もその心を分かってか笑っておられました。

結局活字になる際に、語句の訂正を何箇所かしただけで、テーマや視点を変える事はしませんでした。


それでも、大学を離れた今でも、研究したい気持ちでいられるのは、このお手紙があるからです。ホントにありがたいです。
posted by taigon at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 課題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月22日

図一覧

「織田政権と大和」本文と対応しています。
三番目の図は、本文にありませんが、参考図としてください。


図1(第1章1節
zu1.JPG


図2、図3(第2章2節
zu2-3.JPG


参考図
(図3を手書きで見やすくしました。図3と比べて、90度時計回りで回転しています。画面右が北です)
zu-x.JPG
posted by taigon at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文!織田政権と大和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月21日

表一覧

「織田政権と大和」本文と対応しています。

表1(第1章1節
hyo1.JPG


表2(第1章2節
hyo2


表3(第1章2節
hyo3.JPG


表4(第1章2節
hyo4.JPG


表5(第2章1節
hyo5.JPG


表6(第2章2節
hyo6.JPG



また、本文とリンクさせれるようにできたらと思います。
posted by taigon at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 論文!織田政権と大和 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月20日

卒業論文を書いてみよう4

四回めです。

さて、研究したいテーマが大枠で決まって、
それについて、年表が出来ました。
研究史も色々目を通しました。
良質の史資料が何かも分かってきました。
どんな研究者がいるのかも覚えましたし、誰がどんな持論を持っているのかも分かってきました。

となれば、後は、決め手は「オンリーワン」にこだわったテーマに絞る作業です。
いよいよ、持論の構築です!


多くの論文や著書に目を通し、年表を見つめていると、
なんだか納得いかないな」とか思う時があったりします。
この先生とあの先生の論の違いはなぜ起きるんだろうか?」とか。

先生方の持論の違いは、論文が発表された年代が違って、使える史料に制約があった論が、新しい史料が見つかって、幅が広がったとか、行間を埋める想像の仕方が、全然違うとか。
理由も色々にあります。


ここまでの作業を自力で努力していれば、卒論担当の教授も、学生の質問にはびしばしと返事くれると思います。


中高生の人たちだったら、学校の歴史の先生や、今ならネットのいろんなサイトもあるので、そこでドンドン質問してみましょう。

私も、このブログを書こうと思ったのは、誰でもいいので批判して欲しかったからです。
間違いを指摘して欲しいという思いもありましたので。でも、あまり反響はないのですが(涙)

実は、私の担当の先生は、近世がご専門なので、私の研究課題には大きな力とはならないとおっしゃいました。
出来た卒論を、村田修三先生に送って見てもらってくださいました。そうすると「中世の基礎が全くなっていない」といわれました(汗)

でも、村田先生は、私の研究テーマの「目の付け所」を褒めてくださりました。
つまり、当時大和の城郭研究や、織田政権論と荘園制以外のところからのアプローチというのが、当時はとても少なく、また、特定の方々の伏線の研究テーマとしてあっただけで、これを生涯の研究で飯を食っていくという人が少なかったんです。
今は、奈良大学に著名な先生がおられますし、奈良大をはじめ、新しくなった県立図書館、老舗の天理大学図書館と、環境が随分整ってきています。

また多くの議論の場も設けられているようですし、大和郡山市、高取町、奈良大学などで、まめにシンポジウムなども開かれ、随分と中世大和の研究発表も活発になっています。
私も、末席くらいに参加したいけれど、時間の制約などで無理なので、シンポの資料などを送って頂いてます(でもあまり目を通していない…)


さて、本題に戻して、持論の展開と。続きを読む
posted by taigon at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月19日

卒業論文を書いてみよう3

短期集中連載っぽくなってきましたね。

さて今回は、活字からでも引用史料とできる。です。

あなたは『史料綜覧』をご存知でしょうか?
編年体で、歴史的出来事がたんたんと書かれ、その後ろに、もと引用の史料名が載っているのです。


前回まで二回は、研究するなら、ってことで書きましたが、
いい加減な話、将来研究者になるわけでもなく、修士論文を書くわけでもなく、
とりあえず、これだけの卒業論文を書いたんだ、と仕事をやり遂げた達成感をほしいなら、

既存の活字資料を読むだけでOKです!
(いいのか?いいでしょう、不真面目学生がそこまでやったってだけで好印象)
っていうか、本物なんて読めない。東大とかならまだしも、、、

実は、織田信長というのはとても大きなテーマです。

よくある卒業論文は、○○家文書について、などが多く(特に近世)、ある家から出てきた古文書をよみ、そこにある内容を過去の研究史に照らして、あの研究のこの部分が裏付けられた、というものだったりします。
これはこれで、凄く立派な論文になります。新しい発表という事で、大学の財産にもなります。教授のもちねたにもできます。

でも、私は織田信長をやりました。

なぜなら近世文書(古文書)を読めない。
そう、むしろ、中世、戦国大名などの文書ほうが、古くから活字におこされていたり、現代訳されたりしていて、読みやすいのです。

しかし、先ほども言いましたとおり、中世研究はでかい。研究史が多い分、でかい。んで難しい。
「織田信長をやりたい」とだけ思ってはじめたら、目が回ります。

ところが、実は「織田信長論」自体はそれほど多くないのです。
研究者は沢山いますし、ふるくからありますが、個別の研究論文はそれほどないです。続きを読む
posted by taigon at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月18日

卒業論文を書いてみよう2

私は、大学生活を5年間送っています(汗)

色々な事を沢山しました。経験いっぱいできて良かったです。
しかし、専攻の専門知識はほとんど持たずじまいで卒業しました。
今となっては、それはとても悔いが残っています。

史学科の学生なら、一回生の時から古文書をしっかり読めるように努力してくださいね。
前回も書きましたが、私は、一回生の最初、古文書を読む会に、2,3ヶ月通っただけで、後は勉強しませんでした。
ですので、卒論を書く段になっても、古文書の現物を読むことは出来ませんでした。

四回生になって、卒論のテーマを決めて、勉強し始めましたが、あんまり興味の無いことを選んでしまったので、モチベーションが下がって、あまりにいい加減なものになりそうでした。

私は、結構、研究に対して夢を持って大学に入ったので、これでは、大学の四年間がムダになると、遅すぎるタイミングで思ったのでした。
内容がなくても、小さいことでもいいからとにかく、一生懸命好きな事について調べて、それを卒業論文にしたい。
そんな時に見つけたのが、織田信長の「大和一国指出検地」でした。信長好きだし、地元のことだし、これを一度目いっぱい調べてみよう。

そう決めたのが、四年生の秋(遅!)…両親を説得して、もう一年大学に行く事にしたのでした(笑)



さてさて。

前回は資料選びのことをお話しました。
そんな事は誰でも知っているし、と思われて退屈されたかた、すみません、もうしばらく退屈が続きます。


今回は、研究史をチェックしようという内容をお話します。続きを読む
posted by taigon at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月17日

卒業論文を書いてみよう1

私が「織田政権と大和」の構想を思いついたのは、『織田信長のすべて』(岡本良一編)という本に「大和指出」検地のことが載っていたのを見つけたからです。

それが、今から十数年前のことでした。
とりあえず、信長好きなので、地元と信長を関連付けて研究できるならモチベーションもあがるし、持続もできるだろうという安易な発想で卒論のネタにすることにしました。


ということで、今回から数回に渡り、これから織田信長を勉強したいと思っている中高生や、私のように不真面目大学生で、ろくに一次史料の読み方を知らないけれど、卒論をレポートじゃなく少しは論文らしくしたいと思っている人、などを対象に、私が卒業論文を書いていった過程を紹介してみます。




さて、思いつくままに書いていきます。

今回は、資料選びのポイントをお話します(前回紹介した谷口氏の著書から一部参考にしています)。

まず、織田信長研究は、学者だけでなく作家や郷土史家も含めて、千差万別恐ろしい数の著書・研究論文があります。

研究者向けだけでなく、一般向けの書物が充実しています。
よくやってしまう失敗が、そのような「誰かが書いた書籍を読む」ことを研究だと思ってしまうことです。

信長の研究は、「想像力だけで書かれたもの」がとても沢山あります。
それは、あくまでも誰かの「想像」であって、「事実と呼ぶには遠い」であろうものが多いのです。
三国志好きな中高生もよく陥る穴です。続きを読む
posted by taigon at 16:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月12日

『検証 本能寺の変』谷口克広著

さて、表題。

久々に、まともに織田信長本の登場です。

著者谷口克広さんの『検証本能寺の変』

谷口氏には私が学生の頃は、
『織田信長家臣人名辞典』という本でで随分お世話になりました。

著者の性格的にこの方は「図書館司書」「博物館学芸員」
か、っていういうくらい、丁寧に分類と検証がされているのが特徴です。

はっきりいって、分類の鬼です。頭が下がります。



さて、読後の感想ですが、
まるで大学の授業をうけているよう」だというのが、率直なところ。
「史学入門」という授業のようです(笑)

ただし、過去の研究を整理するという上では、一般向けにいい仕事をされているので、まじめに信長や中世を勉強したい人はぜひ、購入して読んで欲しいです。

この本のまねをして、他の研究をすればいいはずですから。

ちなみに、題名の「本能寺の変」について、すごいことが書いてある!
ということは全然ありませんので、なんかロマンを求めて本能寺を眺めている人には拍子抜けする一冊だと思います。
そのあたり、買う前に立ち読みを進めます。もしくは図書館で借りてみてください。


とてもありがたかったのは、大学卒業以来織田信長の研究などは全くしていなかったし、雑誌類も読んでいなかった私にとって、ここ10年の(本能寺の変という限定された課題ですが)研究成果が網羅的に解説されていたことです。

私にとっての馴染みといえば、1980年代以前に発表されたものばかりだったので、1990年以降の研究の動きが少ししれたのは良かったです。
桐野作人さんは、自身知らなかったのが恥ずかしいくらい、最近の信長研究では著名な方なんですね。

私がよく読んだのは、脇田修、奥野高広、小和田哲夫、岡本良一といった方々でした。


ところで、これを読みながら思い出したのが、このブログの当初の目的です。

ああ、まさにこの本の書き方が目標だった!って思ったわけです。

全く歴史研究には触れた事が無い人や、ただ信長好きなんですっていう中高生のために、私も素人同然だから「一緒に歴史の研究の仕方を学んでしていきましょう」という趣旨ではじめたはずなのに、再開してからものすごく中途半端なブログになってる(汗)。

玄人にはつまらない。素人には語句がややこしかったりする。
反省・・・


ということで、次回から、一度原点に戻って、一緒に「織田信長を考えて」いきましょう〜









posted by taigon at 11:54| Comment(4) | TrackBack(0) | 信長関係書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月10日

『中世武士の城』齋藤慎一

「中世武士」また「城郭」の好きな方、研究をしたい方にとって、素人から玄人まで楽しませてもらえる本がこれです。

齋藤慎一著『中世武士の城』吉川弘文館

プロローグを読み始めてすぐは、ああ、すごい初心者向けの本なのかな?
と思ってしまいますが、そうではありません。

文献史料、考古学成果、地図、写真、図解
を十分にあげて、研究者対しても、丁寧にその発想の出所を紹介してくれています。

つまり、追研究がしやすいわけです。


さて、どんな内容かといいますと、
主に東日本の中世武士の居館、城跡を紹介し、「中世武士の城」の基本的モデルをあらわしてみようというのが、主体です。

中世城郭に詳しい方なら、真新しいものは少ないかもしれませんが、
私がとても興味を引かれたのは、後半からエピローグに続く、中世武士の信仰についてです。

著作権に抵触するかもしれませんが、一文を要約して紹介しておきます。

「武家の本拠モデル」として、西を奥とする東西方向の河川の流れる谷があり、谷奥には溜池がある場合もある。谷の北側斜面に武士の屋敷が溝や堀を廻らし、象徴的存在としてあり、馬場や的場が近くにあった。屋敷とともに、極楽往生の装置として阿弥陀堂があり、前面に浄土庭園がある場合があった。また周辺にはその墓地もあった可能性もある。
屋敷阿弥陀堂の前面の谷底には河川と並行して東西の道路が普請されており、西の谷奥には堂などの聖地がある場合も。
空間の一角には現世利益の装置として、観音を祀る霊場、熊野神社、氏神、『大般若波羅密多経』を備える寺社などがあった。これら寺社は谷の西奥に象徴的に配置され、聖地と重なる事もあった。


丹念にこれらの事実を証明されています。


中世大和の城郭がどうであったのか、またじっくり調べてみたいと思います。

私の地元矢田城跡では、
少しこじつけ気味に検証すれば、
確かに南に東西方向に小川が流れています。すぐ東にも南北のおがわがあります。
南の小川の前に並行する道をまっすぐ西に進むと、矢田寺があります。
城跡のすぐ西には、光蓮寺というお寺があります。
またすぐ東には、矢田坐久志玉比古神社という神社もあります。

矢田城の正面が東向きと考えられるので、武家の本拠モデルからいうと90度方角をずらして考える事も必要かもしれません。



こうして、過去に想像を膨らます事が出来る、手元におくといい本です。









posted by taigon at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 信長関係書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月03日

キーワード

ここで、今後の課題についていろいろ思いつくままに書いてみます。

このブログでは、信長と大和を題材に、多角的広範囲にいろいろなネタを小出しにして、中世から近世への過渡期を検証しています。


キーワードとしては、

織田政権論
戦国大名論
都市・流通・経済史
寺社・荘園史
中世権門体制
宗教史
城郭研究
中世大和研究

もはや何でもありの状態ですが、

「大和郡山城」

というお城が出来た背景をわかるためには、これだけの事柄を理解していく必要があるということですね。


そうそう、簡単には解決もしない代わりに、郡山城を中心に、これらを関連付けて紐解いていくと、とても面白い結果が沢山見えてくるはずです。

非常に楽しみではないですか?
posted by taigon at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 課題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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