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2009年10月19日

畿内・近国の戦国合戦 戦争の日本史11


畿内・近国の戦国合戦 (戦争の日本史)

畿内・近国の戦国合戦 (戦争の日本史)

  • 作者: 福島 克彦
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本



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読売オンラインで、分かりやすい書評があったので、紹介しておきます。
読売の書評はここ

前回紹介した論文などを読むために、事前の勉強としてこちらを読めば、理解が深まる(というか、これらが分からないと、論文の方はさっぱりわからない)と思います。



戦国期畿内・近国のイメージ プロローグ
1 応仁・文明の乱と山城国一揆
2 分裂と戦争
3 三好長慶の時代
4 合戦の様相
5 防御施設の発達
6 都市と戦争
織田信長の上洛以後 エピローグ


前半は、ざっと(延々と?)信長登場前120年ほどの通史が紹介されていて、はっきり言って飽きます(1〜3章くらい)。

ところが、それが終わって、各所論に入ると、ぐっと中身が出てきて、楽しめます。

4〜最終章までは、最新の論説も紹介されていますし、
何といっても、松永久秀関連について、少ない量で密に紹介されているのが、ありがたいです。

著者は、多聞山城を高く評価されているのですが、いろいろ批判もあるでしょうが、それなりに好感を持てる内容です。


とりあえずは、戦争と政治の話が中心ですので、飽きずに最後まで読むのは大変かも知れません。

それでも、信長や、戦国期に興味があって何となくかじった、という方などが、初めて研究史に触れるときの入門書としては、もってこいかもしれません。

内容に対する元の出典が、史料、論文、著書など逐一明記されているので、買って手元に置いておくのもよいでしょう。

情報も新しいものも多いので、今なら買いです。
とにかく、4章からエピローグまでは必見なので、前半で退屈しても、頑張って最後まで読んで下さいませ。

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posted by taigon at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 信長関係書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月17日

戦国畿内を知る 最新情報

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雑誌『日本歴史』平成21年9月号に

「信長上洛前夜の畿内情勢」という論文が発表されています。
場部隆弘氏。

あくまでも論文ですので、一般の方には難しいかも。


戦国時代の近畿地方を題材に研究するなら、目を通しておくといいと思います。
新しい発見(というか解釈)として、

九条稙通の孫が、三好義継だという話。

つまり、十河一存の妻が九条稙通という意味。

分からない人にはなんのこっちゃですね。


解説。

信長上洛以前に、畿内を牛耳りつつあった三好長慶。
弟が三人いました。

実休。冬康。そして、十河家に養子に行った一存(かずまさ)。
小説などでは、鬼十河の名で知られる、三好家の重要人物。

この、十河一存の息子が、兄、三好長慶のもとへ養子にいく。
その名前が三好義継。

その義継の母で、十河一存の妻が、九条稙通の娘である。

ということです。

ちなみに、立場上は九条稙通の娘ですが、本当の子供はいなかったとして、
養女だっただろうと、推測されています。

また、和泉守護代松浦孫八郎も、十河一存の子供であったと推測されています。
(つまり、三好義継と松浦孫八郎は兄弟…)

この、十河と九条家、松浦家のかかわりから、
戦国期畿内の信長上洛前夜を考察していこうというのが、この論文の趣旨。


なるほど、と思うところも多かったので、是非本文を読んでみてください。
ちなみに、「永禄九年の畿内和平と信長の上洛」(『史敏』2007春号)とセットで考察されているようなので、
そちらを読むとより理解が深まるようです。
(私は残念ながら読めていません。)


信長上洛前夜の畿内情勢を詳しく知ることは、信長研究でもとても大切なことです。
信長の取った数々の政策にも直接的、間接的と影響を与えたはずです。

そういった意味で、もう一冊よい本があります。また次回紹介します。
posted by taigon at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 信長関係書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

織田信長 最後の茶会 感想

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前回の続きです。

きっと、「本能寺の変について書いてるんだ」と思って購入すると、失敗します。
これだけは間違いありません。

特に、本能寺の変を一生懸命やってる人には、おいおい、と言いたくなるかもしれません。

というのは、この本は、全般において、丹念に史料を再検討した結果、新しい発見があったとか、そういう類のものではないからです。
多くの信長関係の書物を読んでみて、著者自身の研究ベースと比較検討して、意見を述べている、というものだと思ってもらえばいいかと思います。
その辺りは、本文中に著者本人も書いておられます。


それなのに、最初に本能寺の変の周辺事情を書いてあるのは、最近の研究動静についてあまり知らない方に対して、基本知識を抑えておいてもらおうという親切心というものかもしれません。

ですので、一般的な歴史研究者が研究結果を書いた、という部類でもありませんし、過去の研究をまとめたものであるとも言えません。
そこは十分注意して読む必要があります。


以下、細かな点で少し気になったところを。

信長の宗教政策の章で、比叡山焼き打ちの紹介の際、松永久秀が東大寺を焼いたことを例に挙げて、旧権威を失墜させる事例として同列に挙げて紹介されています。
しかし、現在、東大寺は戦乱の失火で焼けたという認識がされつつあり、久秀が故意に焼き打ちしたのではないといわれています。信長が家臣に命令して、完全に焼き払って比叡山の人間を皆殺しのようなことをしたのとは大きく違っていると私は考えています。

また、大和の政策では、このブログで何度も述べている通り、信長は宗教勢力に苛烈な行為は行っていない。
比叡山焼き討ちは、権威の失墜を目指して行ったというよりは、軍事的に敵対する勢力を殲滅させたと考える研究も私以外にもあるのですが、その辺りの研究には、著者は何も触れられていないように感じました。


信長論を語るには、この本には史料的裏付けが少ないので、新しい学説には相当し得ないのだけれど、何といっても、ご専門の東アジアの思想や文化を、信長を題材にして紹介するという手法が斬新であるし、新しい知識を沢山手に入れる事が出来るので、そういうつもりで読めば、楽しい読み物とできるでしょう。

是非、氏の他の著書も読んでみたいと思えました。


織田信長 最後の茶会 (光文社新書)

織田信長 最後の茶会 (光文社新書)

  • 作者: 小島 毅
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/07/16
  • メディア: 新書





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