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2010年03月12日

筒井城第13次発掘成果

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今朝の記事でもご案内した通り、筒井城で発掘成果が発表されました。
現地説明会は、今月14日(明後日)10時から12時まで。

場所は
奈良県大和郡山市筒井町字シロ畠






この場所は、大和郡山市が筒井城を計画的に発掘研究するために買い取った土地に当たり、今回で13次調査となりました。
ちなみに12次調査も見学しました。
こちら
と、ここ

そして、今回は、14日にどうしても行くことができないので
先ほど早速足を運んで、市教育委員山川先生にお話をお伺いしてきました。

出来たてのほやほやの資料ももらってきました。
今回からしばらくは内容を紹介し、自分なりの考察を加えたいと思います。


まず、新聞記事を読んで頂いたらわかるように、

遺物から時代は16世紀の第4四半期(1575年から1600年)のうちに、一気に人為的に埋められた可能性のある堀が見つかった。

ということが最大の成果です。
私のブログやその元ネタである、拙論「織田政権と大和」をお読み頂いた方には、今回の成果の大きさがよくわかると思います。


順を追って説明していきます。

まず、以前から「多聞院日記」などにより天正8年に大和で地方で、織田信長による大々的な政策が実施されたのが知られていました。
それは、その政策内容から「大和指出」「大和一国破城」と呼ばれたりします。
いずれも、一国規模の政策だったので、織田政権を論じる上では重要な政策です。

詳細は過去ログここ

この破城。いわゆる、城割について、「作事面のみで、普請面にまでは及んでいない」という研究がありました。
作事とは建物系。普請とは土木系(堀や基礎)。

詳細はここ


ここが大事で、
今回の発掘で、天正8年の筒井破城の時に埋め戻されたので間違いなかろうと思われる遺構が発見された。
という結果があったわけです。

つまり、ここ筒井城においては、少なからず普請面まで及んでいたということです。
これには、山川先生も理由をつけておられて、多聞院日記で、筒井城の破却が済んだ時、信長から派遣されてきた上使が検分に来ていることが分かっており、筒井方としては命令通りちゃんと城の機能をなくしましたよという結果を見せる必要があったと思われる、とおっしゃっていました。


考古学、発掘、というのは素晴らしい。
想像の歴史事実が、現実に目の前に現れるのだから。


もちろん、文献資料も素晴らしい。実際に、人が思った事が書かれている実物には間違いないから。

これこそ相互補完ですね。


発掘成果について、もう少し続けます。

画像
2010筒井城発掘 (2).jpg

今回発掘されたのは、筒井城の中核部の南端を調べる作業中に見つかった、一番内側のものと思われる堀。
規模は、幅6m前後、深さ2.5mを測り、形はV字型の薬研堀(やげんぼり)。筒井城の堀としては、小規模のもの。

2010筒井城発掘 (1).jpg
大量の遺物が出ており、出土状況から、堀を埋める作業にかかる際、堀の外側で何らかの祭事(神事?)が行われるときに使われた土器で、堀に外側から放り込まれたようだと分かった。

ということです。

神事的なことが、作業の前にあたって行われたかもしれないというのも大事な成果です。
建物を建てる前に、地鎮祭などしますが、その逆的なものがあったのではないだろうかと、考えておられました。城の魂をぬくといったような。


ちなみに、肝心の主廓からは浅い溝や穴が見つかっているだけでしかも、まだこれが何かはよくわかっていないそうで、今のところ目に見える成果はないそうです。

画像
2010筒井城発掘 (4).jpg


さて、新聞記事にもある通り、この成果は非常に意義あるものです。
文献史料上に明確である、破城(城割)について、それがそのまま発掘成果としてみれるのは、稀なことです。

是非、現地説明会に足を運んで頂いて(来週末には埋め戻されるとおっしゃってました)、その前に、可能なら「多聞院日記」の天正8年8月のころを通読してから見学に行ってもらえれば、とても理解が深まると思います。


そして、この筒井城の発掘成果が歴史研究上、貴重な研究材料であると知って頂いて、是非若い人たちには、研究レポートや卒業論文などの題材に取り上げてもらいたいものです。


posted by taigon at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 新着情報&雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

筒井城発掘成果ニュース




 

今日の記事の補足です


先ほど早速足を運んできたので、その詳細は、また後ですぐにアップします。


新聞記事内容

織田信長に仕えた戦国大名、筒井順慶の居城だった筒井城跡(奈良県大和郡山市)で、16世紀後半に埋め戻されたとみられる堀の遺構が見つかり、市教委が11日、発表した。城の取り壊しを命じた信長の「破城令」で天正8(1580)年に埋められたとする当時の文献の記述を裏付けており、市教委は「信長の破城政策を知る上で貴重な発見」としている。
 堀の跡は、城主の館とみられる場所付近で確認。深さ約2・5メートル、幅約6メートルで、断面がV字形の「薬研(やげん)堀」だった。当時の神事で用いられた「かわらけ」と呼ばれる素焼きの小皿など、100点以上の土器も一緒に出土。市教委は、筒井城を廃絶する際の祭祀(さいし)で用いられ、堀とともに埋められた可能性が高いとみている。
 筒井城は室町〜戦国時代の大和国の重要拠点。興福寺(奈良市)の僧侶で順慶とも親交があった多聞院英俊による「多聞院日記」の記述によると、信長は天正8年に郡山城を除く大和地方の城を廃絶するよう順慶に命じ、筒井城もこれに伴って廃絶された。日記には、同寺周辺の住民が動員されたと記されている。
 現地説明会は14日午前10時から行われる。
 NPO法人「城郭遺産による街づくり協議会」の中井均理事長の話「破城は江戸幕府による一国一城令まで全国で実施されたが、信長の破城については詳細が不明。多聞院日記と付合したことで、実態を知る重要な手がかりになる」
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posted by taigon at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 新着情報&雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

速報 筒井で天正8年大和一国破城の痕跡発見

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今日の新聞です。

このブログの主要テーマである、
天正8年の織田信長による、大和一国破城の痕跡が発見されました

記事はここ

ほかにも

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/100311/acd1003112329002-n1.htm

詳細は、リンク先を読んで頂くとして。

現地説明会は、今週日曜日、3月14日の10時から正午。
このブログを読んで下さっている方は、是非見学して下さい。


私は、ホントに残念ですが、当日はいけません。
どなたか、参加される方はコメント下さい。


もし、今日いけそうなら、行ってきます。
posted by taigon at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 新着情報&雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

織田信長と島津義久

http://opac.ndl.go.jp/articleid/10517469/jpn

日本歴史 2010年 02月号 [雑誌]

日本歴史 2010年 02月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 吉川弘文館
  • 発売日: 2010/01/23
  • メディア: 雑誌




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雑誌『日本歴史』2010年02月号に、表題「織田信長と島津義久」 黒嶋敏著 があったので、紹介します。


論題に期待するほど、織田信長は出てきません。

簡単な内容は、永禄天正年間の、島津家側から見た、畿内中央の情勢と、それに対応した島津家を中心とする地方の大名の行動。というところです。


ですから、ちゃんと題名をつけると、
「中央政権の変遷に伴う地方大名の行動 島津家の研究から」と言う感じでしょうか。


ただ、一番最初に著者が上げた論点の中心が、織田信長政権を論じるために、信長と地方大名の関係を探ることを目的とし、その方法に、島津側から中央との関係をたどりその変遷を検討する、その成果として織田政権研究を再検討しよう、という最終目的があるので、表題となったのでしょう。



さて、再検討した結果どうなったのか。

キーマンは近衛前久と足利義昭。

島津家と関係の深かった近衛家。

信長が近衛を利用して、島津を取り込こもうとしていたという従来の研究より、実態は、近衛前久の私的観点(反義昭)から、信長に近づいたと考えた方がよい。
また、九州の戦い、毛利も巻き込んだ勢力争いに、それを利用する、足利義昭、織田信長、という対立軸もからむ。

そこを、したたかにのし上がろうとする島津家の中央との対応。

ということで、一面から見ていたのでは、中央と地方の複雑な関係の本質は見失いますよ、という話でした。

とくに、結論づけられたところはないけれど、知識を得るにはとてもいい内容だったと思います。

是非、ご一読下さい。勉強になります。

posted by taigon at 17:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 信長関係書籍紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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