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2007年12月20日

卒業論文を書いてみよう4

四回めです。

さて、研究したいテーマが大枠で決まって、
それについて、年表が出来ました。
研究史も色々目を通しました。
良質の史資料が何かも分かってきました。
どんな研究者がいるのかも覚えましたし、誰がどんな持論を持っているのかも分かってきました。

となれば、後は、決め手は「オンリーワン」にこだわったテーマに絞る作業です。
いよいよ、持論の構築です!


多くの論文や著書に目を通し、年表を見つめていると、
なんだか納得いかないな」とか思う時があったりします。
この先生とあの先生の論の違いはなぜ起きるんだろうか?」とか。

先生方の持論の違いは、論文が発表された年代が違って、使える史料に制約があった論が、新しい史料が見つかって、幅が広がったとか、行間を埋める想像の仕方が、全然違うとか。
理由も色々にあります。


ここまでの作業を自力で努力していれば、卒論担当の教授も、学生の質問にはびしばしと返事くれると思います。


中高生の人たちだったら、学校の歴史の先生や、今ならネットのいろんなサイトもあるので、そこでドンドン質問してみましょう。

私も、このブログを書こうと思ったのは、誰でもいいので批判して欲しかったからです。
間違いを指摘して欲しいという思いもありましたので。でも、あまり反響はないのですが(涙)

実は、私の担当の先生は、近世がご専門なので、私の研究課題には大きな力とはならないとおっしゃいました。
出来た卒論を、村田修三先生に送って見てもらってくださいました。そうすると「中世の基礎が全くなっていない」といわれました(汗)

でも、村田先生は、私の研究テーマの「目の付け所」を褒めてくださりました。
つまり、当時大和の城郭研究や、織田政権論と荘園制以外のところからのアプローチというのが、当時はとても少なく、また、特定の方々の伏線の研究テーマとしてあっただけで、これを生涯の研究で飯を食っていくという人が少なかったんです。
今は、奈良大学に著名な先生がおられますし、奈良大をはじめ、新しくなった県立図書館、老舗の天理大学図書館と、環境が随分整ってきています。

また多くの議論の場も設けられているようですし、大和郡山市、高取町、奈良大学などで、まめにシンポジウムなども開かれ、随分と中世大和の研究発表も活発になっています。
私も、末席くらいに参加したいけれど、時間の制約などで無理なので、シンポの資料などを送って頂いてます(でもあまり目を通していない…)


さて、本題に戻して、持論の展開と。続きを読む
posted by taigon at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月19日

卒業論文を書いてみよう3

短期集中連載っぽくなってきましたね。

さて今回は、活字からでも引用史料とできる。です。

あなたは『史料綜覧』をご存知でしょうか?
編年体で、歴史的出来事がたんたんと書かれ、その後ろに、もと引用の史料名が載っているのです。


前回まで二回は、研究するなら、ってことで書きましたが、
いい加減な話、将来研究者になるわけでもなく、修士論文を書くわけでもなく、
とりあえず、これだけの卒業論文を書いたんだ、と仕事をやり遂げた達成感をほしいなら、

既存の活字資料を読むだけでOKです!
(いいのか?いいでしょう、不真面目学生がそこまでやったってだけで好印象)
っていうか、本物なんて読めない。東大とかならまだしも、、、

実は、織田信長というのはとても大きなテーマです。

よくある卒業論文は、○○家文書について、などが多く(特に近世)、ある家から出てきた古文書をよみ、そこにある内容を過去の研究史に照らして、あの研究のこの部分が裏付けられた、というものだったりします。
これはこれで、凄く立派な論文になります。新しい発表という事で、大学の財産にもなります。教授のもちねたにもできます。

でも、私は織田信長をやりました。

なぜなら近世文書(古文書)を読めない。
そう、むしろ、中世、戦国大名などの文書ほうが、古くから活字におこされていたり、現代訳されたりしていて、読みやすいのです。

しかし、先ほども言いましたとおり、中世研究はでかい。研究史が多い分、でかい。んで難しい。
「織田信長をやりたい」とだけ思ってはじめたら、目が回ります。

ところが、実は「織田信長論」自体はそれほど多くないのです。
研究者は沢山いますし、ふるくからありますが、個別の研究論文はそれほどないです。続きを読む
posted by taigon at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月18日

卒業論文を書いてみよう2

私は、大学生活を5年間送っています(汗)

色々な事を沢山しました。経験いっぱいできて良かったです。
しかし、専攻の専門知識はほとんど持たずじまいで卒業しました。
今となっては、それはとても悔いが残っています。

史学科の学生なら、一回生の時から古文書をしっかり読めるように努力してくださいね。
前回も書きましたが、私は、一回生の最初、古文書を読む会に、2,3ヶ月通っただけで、後は勉強しませんでした。
ですので、卒論を書く段になっても、古文書の現物を読むことは出来ませんでした。

四回生になって、卒論のテーマを決めて、勉強し始めましたが、あんまり興味の無いことを選んでしまったので、モチベーションが下がって、あまりにいい加減なものになりそうでした。

私は、結構、研究に対して夢を持って大学に入ったので、これでは、大学の四年間がムダになると、遅すぎるタイミングで思ったのでした。
内容がなくても、小さいことでもいいからとにかく、一生懸命好きな事について調べて、それを卒業論文にしたい。
そんな時に見つけたのが、織田信長の「大和一国指出検地」でした。信長好きだし、地元のことだし、これを一度目いっぱい調べてみよう。

そう決めたのが、四年生の秋(遅!)…両親を説得して、もう一年大学に行く事にしたのでした(笑)



さてさて。

前回は資料選びのことをお話しました。
そんな事は誰でも知っているし、と思われて退屈されたかた、すみません、もうしばらく退屈が続きます。


今回は、研究史をチェックしようという内容をお話します。続きを読む
posted by taigon at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月17日

卒業論文を書いてみよう1

私が「織田政権と大和」の構想を思いついたのは、『織田信長のすべて』(岡本良一編)という本に「大和指出」検地のことが載っていたのを見つけたからです。

それが、今から十数年前のことでした。
とりあえず、信長好きなので、地元と信長を関連付けて研究できるならモチベーションもあがるし、持続もできるだろうという安易な発想で卒論のネタにすることにしました。


ということで、今回から数回に渡り、これから織田信長を勉強したいと思っている中高生や、私のように不真面目大学生で、ろくに一次史料の読み方を知らないけれど、卒論をレポートじゃなく少しは論文らしくしたいと思っている人、などを対象に、私が卒業論文を書いていった過程を紹介してみます。




さて、思いつくままに書いていきます。

今回は、資料選びのポイントをお話します(前回紹介した谷口氏の著書から一部参考にしています)。

まず、織田信長研究は、学者だけでなく作家や郷土史家も含めて、千差万別恐ろしい数の著書・研究論文があります。

研究者向けだけでなく、一般向けの書物が充実しています。
よくやってしまう失敗が、そのような「誰かが書いた書籍を読む」ことを研究だと思ってしまうことです。

信長の研究は、「想像力だけで書かれたもの」がとても沢山あります。
それは、あくまでも誰かの「想像」であって、「事実と呼ぶには遠い」であろうものが多いのです。
三国志好きな中高生もよく陥る穴です。続きを読む
posted by taigon at 16:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 卒論が出来るまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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